単焦点レンズとは?特徴や魅力、使い方について
単焦点レンズの単焦点とは焦点距離が1つだけという意味になります。つまり、ズームがきかないレンズのことを言います。
例えば、50mmの単焦点レンズだと50mm以外は使えません。
ズームレンズの場合、例えば、70-200mmなどだと、70mmでも撮れるし、150mm、200mmといったように70mmから200mmの間で焦点距離を変えながら撮影することができます。
その点、単焦点レンズはそういったことができません・・。
被写体を大きく写したければ、自分が被写体に近づくほかありません。逆に被写体を小さく写したいのなら、自分が被写体から離れる必要があります・・。
自分の足を使って構図を決めなければならない、そんなある意味、不便な単焦点レンズですが、実はとても魅力があるレンズだと思うんです。
1.明るいレンズ
単焦点レンズの大きな特徴の1つは明るいレンズが作りやすい点かと思います。
明るいレンズとは以前にもご紹介させていただきましたが、F値が小さいレンズ、具体的にはF2.8以下のレンズです。
単焦点レンズではF値が1.4などという、とっても明るいレンズを作ることも可能です。
一方ズームレンズはその構造上そこまで明るいレンズを作るのはとても困難です。
それができたとしてもとても重くて大きい使い勝手が非常に悪いレンズになってしまいがち・・・だと思うんです。
さて、明るいレンズということは、背景を大きくぼかした写真が撮れるということになります。
単焦点レンズで撮影した写真のぼけは標準のズームレンズのそれに比べてまろやかで柔らかいボケになります。
背景ボケを楽しみたいという方はやはり、単焦点レンズがおすすめかと思います。
僕は、背景ぼけがきいた写真が撮りたくて一眼レフを購入したという経緯がありまして、最初から単焦点レンズを購入しました。
それはボケが大好きな僕にとっては大正解でした。
↓は僕が愛用しているレンズの後継モデルですが、シグマ 30mm F1.4です。当サイトで掲載している写真の多くはこのレンズ(の1つ前のモデル)で撮影したものになります。
レンズ:シグマ 30mm F1.4 (APS-C機では35mm換算でおよそ50mmの標準レンズになります) ※僕が使っているのは、このレンズの旧モデルで名前にEXが付きます。 |
以前にもご紹介しましたが、シグマ 30mm F1.4 EXで撮影した写真です:
2.あれだけの描写力、ボケが撮れるのに案外安価?
単焦点レンズの魅力は背景ボケが綺麗な写真が撮れることであったり、F値が小さいために暗い室内でも綺麗な写真が撮れるといった点かなと、思います。
しかも、それだけの写真が撮れるのに、30mmや50mmといった一般的によく使われる焦点距離のレンズは案外安価であるのも特徴です。
ズームレンズになると高価なレンズの多いですが、単焦点レンズの場合は10万円未満で買えて描写力がとても優れたレンズが多いです。それも魅力の1つだと思います。
でも何故それだけ良いレンズが安価なのでしょうか・・・ということになると思うのですが、それは簡単にご説明すると、複雑な構造になっていない、作るのが比較的簡単であるため・・・だと思います。
勿論、こういった利点と引き換えにズームはききませんが・・・その欠点を上回る魅力のあるレンズだと僕は思います。
3.写真の上達につながるレンズ?
単焦点レンズは、写真が上達するレンズ・・・と言われたりします。
この理由はズームがきかないためで・・。ズームがきかないから、自分の足を使って構図を作らなくてはいけません。
ただ、それも限界があったりします・・。
どうしても近づけない被写体もありますので・・。
そういう時にどう撮影するといいか・・・と考えながら構図を作ってゆくことになると思いますが、そういったことが写真の上達につながる・・・そういう意味でも写真が上達するレンズと言われるのかなと、僕はそう思ってます。
僕自身はどこに行くにも単焦点一本で行く位・・単焦点レンズが好きです。
4.単焦点レンズの使い方
最後に単焦点レンズが向いている場面について今一度考えてみたいと思います。
一般的に単焦点レンズが得意としているのは・・・
1.室内撮影・・・暗い室内でも手ぶれせず明るく撮れる
2.背景ボケを生かした写真・・・F値の小さな単焦点レンズが向いています
3.夜間の撮影・・・F値を小さくして撮影することでシャッタースピードを稼げます
・・・といった場面で単焦点レンズは力を発揮しやすいと思います。
後は、そのレンズの焦点距離であったり、製品にもよりますが・・・
単焦点レンズの中には比較的軽いレンズも多いですので・・・例えば、ご旅行などに行かれる際は、ズームレンズ1本(焦点距離も変えられて便利ですが)でもいいのですが、荷物が沢山あって、カメラもできるだけ軽くしたいという場合などにはあえて、軽めの単焦点レンズ1本でも僕はいいのかなと、思ってます。
勿論、風景写真などアウトドアでも単焦点レンズは使えます。足を使って構図を作る必要はありますが、それも楽しかったりしますので。
また、背景ボケを生かした写真を撮影するには、絞り優先モードにしてF値をできるだけ小さくして撮影すると、ボケがきいた写真に仕上がると思います。