フルサイズとAPS-Cの比較をしてみよう
一眼レフを購入する際はフルサイズ機にするかAPS-Cにするか、もしくはマイクロフォーサーズにするか・・・という選択肢があると思います。
今回はその中でも、フルサイズとAPS-Cの2つに絞って比較をしてみたいと思います。
APS-Cからフルサイズにするメリットはなんなのか?フルサイズって本当にいいのか?両者の利点と欠点は?・・・などについて簡単にご紹介してゆきたいと思います。
尚、おすすめのフルサイズ機、APS-Cについてはおすすめのカメラでご紹介していますのでよろしかったら参考になさってください。
目次
2つの違い
フルサイズとAPS-Cの違いは撮像素子(イメージセンサー)の違いになります。
サイズを比較してみたいと思います。
種類別のサイズ | 大きさ |
フルサイズ (36.0 x 24mm) | |
APS-C (23.5 x 15.7mm) |
フルサイズはAPS-Cに比べて面積が2倍以上の大きさになります。
撮像素子が大きいということはそれだけ受けることができる光の量も多くなりますので、やはりフルサイズの方が画質がよくなる傾向があります。
ただ、だから単純にフルサイズの方が良いとは言い切れない部分もあったりします・・・そういった点も踏まえた上で利点や欠点などをご紹介したいと思います。
画質とボケ
フルサイズを検討する最大の理由はやはり、より高画質な写真が撮りたい・・・ということではないかと思います。
画質という意味では撮像素子のサイズが大きいフルサイズの方がAPS-Cに比べると画素数が同じ場合では、やはり撮像素子が大きい方がより高画質の写真になります。
また、撮像素子が大きいことでより多くの光を受けることができますので、暗い場所などの撮影でも綺麗な写真が撮りやすくなります。
フルサイズの利点として考えられる点はまだまだあります。
ボケ味がその1つです。
フルサイズとAPS-Cを比べた場合、被写界深度がより浅くなるフルサイズのボケの方が大きくなりやすい(まろやかになりやすい)というメリットがあります。
ボケの大きさが理由でフルサイズを購入される方もいらっしゃるのではと思います。
もう1つのメリット
もう1つの利点はレンズの焦点距離が表記のまま使えるということでしょうか。
APS-Cだと35mm換算で・・・なんて計算をしなければならなったりして、直感的にレンズの焦点距離を判断し難くなります。
この辺は慣れてしまえば・・・ですけれど・・。
さて、ここまでは利点ばかり見てきましたが、フルサイズにも欠点はあります。
画角と焦点距離
フルサイズとAPS-Cでは撮影できる範囲が違ってきます。
同じ焦点距離のレンズで撮影した場合、APS-Cで撮影した写真はフルサイズに比べておよそ1.5倍に拡大されて撮影されることになります。
よく35mm換算で~という表記をみます。
これはレンズの焦点距離の話をしているわけですが、レンズに表記されている焦点距離はフルサイズを基準に表記されているので、APS-C機を購入した場合、レンズの焦点距離が表記されているもののおよそ1.5倍から1.6倍になります。
・・・ということは例えば50mmの焦点距離のレンズが欲しいとなった時は、フルサイズはそのまま50mmのレンズを購入することになりますが、APS-Cは35mmのレンズで同じような画角が得られます。
そのため、同じ画角を得ようと思った際は、フルサイズ機の方が長い焦点距離のレンズが必要になります。長い焦点距離のレンズは大きく、重くなる・・・傾向があります。
フルサイズ機はボディだけを比較してもAPS-C機よりも重くなりやすいですが、レンズもより重いものが必要になってくるわけで・・。
重さだけを見た場合、これは明らかにフルサイズ機のデメリットになります。
レンズの違い
さて、先ほど、焦点距離のお話をしました。同じ画角を得るためにはフルサイズの方が長くて重いレンズになる・・・ということでした。
しかし、レンズに関してはまだお話しておかなければならないことがあります。
レンズというのは中央部の方が性能がよく、端にいくほどに性能が低下するという傾向があります。
ということは、同じレンズを付けた場合、撮像素子が大きいフルサイズの方が画像の周辺部の画質が悪くなってしまうことになるのです。
そこでどうするか?という話になりますが、そのためにはその周辺の画質を悪くしないで済むレンズ、つまりより高品質なレンズが必要になってきます。
フルサイズ機というのはボディを買う時点でAPS-Cと比較して、お金がかかります。でも一度買ってしまえば・・・と思ってしまいます・・。
しかし実際には購入後も、より高品質なレンズが必要になってきますから、またお金がかかる・・・ということになります。
外車と国産車を購入するようなもので・・、購入してからもフルサイズはAPS-Cよりもお金がかかりやすい・・・という点もまたフルサイズのデメリットかも知れません。
重さ・・・色々な意味で・・・
フルサイズは高画質の写真が撮れますが、画素数も多くなりがちです。
しかし、画素数が多くなればなるほどにファイルの容量が大きくなる・・・という問題点もあります。
パソコンに保存するにしてもある程度枚数になると容量も心配しなければなりません。また、枚数が多くなれば、パソコンなどに転送する際にも時間がかかります。
重さという意味ではフルサイズ機の方がボディだけでなく、レンズも重くなるということもお話したとおり、APS-C機よりもあらゆる点で重くなる傾向があります。
そういう意味でAPS-Cを選ぶ・・・という方もいらっしゃるかも知れません。
最後は何を重視するか
ここまでフルサイズとAPS-Cを比較してきました。
フルサイズの利点や欠点・・・色々ありますが、最後は何を重視するか・・・というところなのかなと・・・・思います。
何かを得るには何かを捨てる覚悟が必要だったりします・・。
画質やボケに徹底的にこだわりたい・・・という方は重いとかお金がかかるといったデメリットは無視してもフルサイズにする選択肢はありだと思うんです。
そこまで思わない、やっぱりフットワークが軽い方が良いとか、そこまでカメラ(レンズ)にお金を使えない・・・と思う方は、APS-Cを選ぶのも良い選択肢かなと思います。
一番は・・・2台持つということでしょうけれど・・・それはそれでお金がかかるというデメリットがあります・・。
結局、どの選択肢でもデメリットはあるわけですが・・・やはり、何を重視したいか・・・ということが最後は大切になってくるのかも知れません。