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標準レンズとは?選び方、使い方や特徴も

標準レンズとは一般的に50mm前後の焦点距離を持ったレンズのことをいいます。

これはフルサイズ機でのお話になりまして、一般的な一眼レフのAPS-C機ですと30mm前後の焦点距離のレンズが標準のレンズになります。

何故、50mm?

写真はシグマのレンズ:
シグマ 50mm F1.4 EX DG HSM

背景ぼけがとってもまろやかなレンズです。

ただし、APS-Cサイズのカメラに装着すると中望遠レンズになります。

 

でも何故50mm前後が標準なのでしょう・・・?

その理由はこの焦点距離のレンズが人の目で見た感じ、つまり視角に似た画角を持っているからと言われています。

自分たちの目で見たのと同じような画角で撮影できるということは、撮る時も比較的自然にフレーミングを決められたり、見る方もより自然な感じで写真を見ることができるという利点があります。

そのため、まず1本目のレンズは標準レンズ・・・という方が多いと思います。カメラボディとセットになったレンズもそういう意味で標準レンズが多いのかも知れません。

標準レンズはポートレイトやちょっとしたスナップ写真、風景写真、などなど・・・オールマイティに使えるレンズと言えると思います。

単焦点とズームレンズ

標準のレンズには単焦点とズームレンズの2種類があります。どちらを選ぶかは用途に応じて・・・ということになってくると思います。

単焦点レンズとはズームがきかないレンズのことで、ズームレンズはそのレンズの焦点距離の範囲で焦点距離を短くしたり、長くしたりできるレンズになります。

両者の利点と欠点を簡単に比較してみたいと思います。

■単焦点レンズ

単焦点レンズの利点はやはり明るいレンズ(F値が小さいレンズ)が多いという点でしょうか。

背景をぼかしたり、暗い室内でもシャッタースピードを落とさずに撮影できるなどの魅力があります。

しかも、比較的リーズナブルな価格で買えるという点も利点です。また、ズームレンズで明るいレンズだと大きくて重くなりますが、単焦点レンズの場合はサイズも比較的小さくて軽いものもあります。

一方、欠点は焦点距離が固定されてしまうことです。

そのため、例えば、被写体を大きく写したい場合は自分から被写体に寄る必要がありますし、それができない場合は別の構図を考えなくてはいけないこともあるかも・・知れません。

■ズームレンズ

ズームレンズの利点はやはり焦点距離を変えることができる点です。

余計なものを省きたい場合、焦点距離を長くして被写体を引き寄せて写したり、広がりを持たせたい場合などは焦点距離を短くして撮影することができるなど、自由な作品作りというか構図という意味でも単焦点レンズに比べて選択肢が増えるというのはやはり強みです。

ただ、ズームレンズにも欠点はあります。

焦点距離を変えられる反面、ズームで明るいレンズとなるとどうしてもレンズが大きく、重くなりやすいです。

また、価格もズームレンズで明るいレンズとなるとどうしても高額になりやすいのも欠点かも知れません。

35mm換算?

冒頭でも少しご紹介しましたが、標準と呼ばれる50mmのレンズですが、これを一般的な一眼レフ(APS-Cサイズのイメージセンサーを持った一眼レフ)で使うと、35mm換算で75mm前後になります。

一般的な一眼レフ、APS-C機の場合は30mm前後が標準の焦点距離となります。

明るいレンズ?

標準レンズを購入する際にポイントとなるもう1つの点がF値です。開放F値が小さいレンズ、具体的にはF値が2.8以下のレンズを明るいレンズといいます。

明るいレンズは背景ぼけを生かした写真が撮れたり、暗い室内でもシャッタースピードを落とさずに撮影できるなどの利点があります。

ですので、背景ぼけを生かした写真を撮りたい時や室内など光が不足しがちな場所での撮影が多い場合は明るいレンズを選びたいところです。

標準レンズでもF2.8以下の明るいレンズは多数販売されています。特に単焦点レンズではF値が1.4などの明るいレンズも多く存在します。

問題はズームレンズです。ズーム比が高いレンズほど、焦点距離の幅が広くなります。例えば、24-70mmのズームレンズよりも18-270mmのレンズの方がズーム比が高くなります。

このズーム比が高いレンズはどうしても、開放F値が暗くなる傾向にあります。勿論、18-270mmというとても広い範囲をカバーしてくれるレンズですから、何かと便利なのですが、欠点もあります。

室内撮影などが多い場合はそういったズーム比が高いレンズ(高倍率レンズ)よりも、ズーム比は低くでも明るいレンズがおすすめです。