夜景写真の撮影テクニック集:簡単で綺麗な撮り方
キラキラと光るイルミネーションや綺麗な夜景を見ると、写真を撮りたくなったりします。
ところが、実際に撮影してみると手ぶれしたり、目で見た写真とはほど遠い暗い写真だったり・・・。
でもちょっとした設定やテクニックを覚えれば、簡単に綺麗な夜景が撮れるようになります。ここではそんな方法をご紹介してゆきたいと思います。
下記にご紹介する方法はすべて実践しなくても夜景は撮れるようになります。場面に応じて使い分けてみるといいと思います。
目次
- 1.ISO感度を上げる
- 2.フラッシュはたかない
- 3.構え方を工夫する
- 4.三脚を利用する
- 5.シャッタースピードをコントロールする
- 6.セルフタイマーを利用する
- 7.露出補正で思うような明るさに
- 8.丸ボケを楽しむ
- 9.ホワイトバランスでプロっぽい写真に
1.ISO感度を上げる
夜景を綺麗に撮影するにはまず手ぶれを防がなければなりません。そのためにできる方法の1つがISO感度を上げるという方法です。
夜景であれば、思い切って1600程度に設定するといいと思います。ISO感度というのは高く設定すればするほど、
1) シャッタースピードが速くなる
2) 画像が荒くなる
・・・という特徴があります。
シャッタースピードが速くなれば、手ぶれしなくなりますから夜景撮影には良いのですが、同時に画像の質も落とすことになります。
ただ、よほど大きなサイズでプリントアウトしなければ、その違いはわからないかも知れません。
特にホームページやブログなどで掲載する分にはISO感度を1600にしたところで、殆ど問題ないと思います。
2.フラッシュはたかない
暗いところだとカメラが自動でフラッシュをたいてしまうこともあります。
しかし、フラッシュを使って撮影した写真は背景が真っ暗になってしまい、しかも被写体に不自然な影ができたりしてしまいます。
ですので、フラッシュはオフにして撮影することがポイントだと思います。僕もフラッシュは日中の逆光時に使う(日中シンクロ)以外は使用していません。
特別なケースを除けば、その方が綺麗な写真が撮れるのです。
ただし、フラッシュをたかないと手ぶれしたりすることがあります。そこでISO感度を上げる・・・という方法を使います。
3.構え方を工夫する
手ぶれを防ぐもう1つの簡単な方法は構え方を変えることです。
一眼レフの正しい構え方で構え方について詳しくご紹介していますので、よろしければ、そちらも参考になさってください。
ポイントは:
・両脇を締めて構えること
・右手がカメラのグリップ、左手はレンズの下を支えます(一眼レフの場合)
・両足は軽く開く
・壁や柱など寄りかかるものがあれば、寄りかかって体を安定させる
・何かに肘を乗せてカメラを固定する方法もGood
・・・になります。
4.三脚を利用する
三脚があれば、手ぶれもしませんし、シャッタースピードを遅く設定してより多くの光を取り込むこともできますのでおすすめです。
コンデジならば、小さな三脚が販売されていてそれほど荷物にはならないと思います。
一眼レフの場合は重いカメラとレンズを支える必要があるのである程度の大きさの三脚が必要になるかも知れません。
三脚がない場合は、タオルなどを持参して、タオルを敷いた上にカメラを置いて撮影する方法もあります。
5.シャッタースピードをコントロールする
さて、ここからは少し具体的なテクニックをご紹介してゆきたいと思います。
夜景を綺麗に撮る1つの方法としてシャッタースピードを遅くして光をより多く取り込むという方法があります。
シャッタースピードが遅くなるほど、露光時間が長くなり光をより多く取り込むことができるため、とても華やかな写真が撮れるようになります。
シャッタースピードは数秒から数十秒まで、色々と設定して撮影してみるといいかも知れません。
この際必要なのは、カメラをシャッタースピード優先モードに設定することとカメラを三脚などに固定することです。
手持ちで数十秒も動かないでいるのはさすがに不可能ですから。
下記はシャッタースピード、1/15秒で撮影したもの。手ぶれはしていませんが、暗い写真になってしまいました。
↓そこで、シャッタースピードを6秒にして撮影。カメラは地面に置いて固定して撮影しています。
このようにシャッタースピードを遅く設定して撮影すると、カメラはより多くの光を取り込んでくれますから、綺麗な夜景写真になります。
また、シャッタースピードを使った夜景撮影テクニックの1つに車のヘッドライトを1つの光の線のように撮影する・・・というものもあります。
これはどうするかと言うとシャッタースピードを10秒などに設定して車を撮影します。するとこのような写真になります↓
黄色い線はバスの電光掲示板のようなものです。光っているのは車、バスのヘッドライトです。このように面白い写真になりますので、是非やってみてください。
シャッタースピードは10秒などでいいと思います。カメラは三脚か、どこかの上に置くなどして固定して撮影します。
6.セルフタイマーを利用する
シャッター速度を遅くして撮影すると光を多く取り込めますので綺麗な夜景が撮影できるようになります。
ただ、シャッターボタンを押した際にその衝撃でカメラが揺れてしまうことがあります。これを防ぐにはカメラのセルフタイマーを利用することです。
カメラによっては2秒のセルフタイマーがありますので、それを活用するといいと思います。
7.露出補正で思うような明るさに
カメラで撮影した写真が思いのほか暗かったり、明るすぎたりすることはよくあります。これは夜景を撮影する際にも同じことが言えます。
例えば、キラキラしたイルミネーションを撮影したのに、出来上がった写真は暗かった・・・なんてことがあったり、夜景なのに空が妙に明るく写ってしまったり・・・。
これは何で起こっているのでしょうか?
その理由は、イルミネーションを撮影した際にはイルミネーションが放つ光が明るいとカメラが判断して写真を暗くしてしまったからです。
夜景なのに空が明るく写ってしまったのは、その逆でカメラが暗さを感知して明るくしてしまったからです。
これを自分でコントロールするには露出補正機能を使います。
1) 明るいイルミネーションの写真 → プラス補正をして明るく
2) 暗い空や夜景 → マイナス補正をして夜景らしく
・・・という風にしてみるといいと思います。
8.丸ボケを楽しむ
夜に撮った写真の中には光が大きな丸になってぼけているものがあります。この綺麗な光の玉のようなものは丸ボケと呼ばれています。
この丸ボケを写すには絞り優先モードを使います。
具体的には絞り優先モードでF値を小さくして撮影します。イルミネーションを背景にして撮影すれば綺麗な丸ボケが背景に写ります。
イルミネーションを手前にしてその奥にある被写体にピントを合わせれば、綺麗な前ボケが写ります。
どちらもとても綺麗な写真になりますので、今度夜景を撮影する場合は是非試してみてください。
9.ホワイトバランスでプロっぽい写真に
もう1つのテクニックはホワイトバランスを使うことです。
ホワイトバランスを「くもり」などにして撮影すると温かい感じのオレンジ色が加わって、やさしい感じの写真になります。
一方、ホワイトバランスを「白熱電球」にすると青っぽい色合いになり都会の冷たい感じやシャープさなどが表現できます。
同じ写真でホワイトバランスを変えて撮影してみると面白い写真が撮れたりしますのでおすすめです。
冒頭でご紹介した夜景写真はオートで撮影したものです。もう一度ご紹介すると↓
これをホワイトバランスを「白熱電球」モードにして撮影するとこうなります。さきほどに比べるとクールなイメージになったと思います。