ホーム > 場面別写真撮影法 >

紅葉写真の撮り方

紅葉狩りの季節ですね。今回はそんな紅葉写真の撮り方とテクニックをご紹介してゆきたいと思います。

1.時間帯と天候

紅葉写真を撮る際のベストな時間帯ですが、赤を強調するには、夕方の時間帯がベストだと思います。夕方の赤みを帯びた太陽光が紅葉をより強調してくれます。

天候は晴れがベストですが、曇りの場合でも工夫次第で綺麗な写真が撮れます。

曇りの際は、空は写さないようにするのが1つのポイントですし、こんな時はあえて足元の落ちた葉を狙ってみるのも良い方法だと思います。

雨の日なら、しっとりとした質感を強調して撮影する・・・などの方法もあります。

それぞれの天候での撮影のポイントを簡単にまとめると:

★晴天・・・・・・紅葉のあざやかな色がもっとも表現できます。順光やサイド光、逆光など様々な光の中で撮影してみると楽しいと思います。光については後程詳しくご紹介します。

★曇り・・・・・・あざやかさがあまり出ないので、ピクチャースタイル(仕上がり設定)などを変えたり、空を写さないよにしたり、足元の落ち葉などを狙ってみても面白いと思います。

また、あえてハイキー気味でゆるい写真にしてみるのも面白いかも知れません。

★雨・・・・・・しっとりとした質感がでます。雨に濡れた葉を狙ってみたり、水たまりに映った葉を撮影するのも面白い方法です。

2.紅葉のあざやかな色を強調する

紅葉写真と言えば、やはり鮮やかな色ですね。ところが、写真を撮影してみると見た目とは違った写真になってしまうことがあります。思ったよりも色が薄かったりして。

この場合は、カメラの機種にもよりますが、仕上がり設定を変えてあげます。キャノンの場合は、ピクチャースタイル、ニコンだとピクチャーコントロールと呼ばれる機能です。

ここで、ビビッドに設定するか、キャノンの場合であれば、「色の濃さ」をプラスにしてあげます。

思い切ってかなりプラスにして撮影してみて、そこから微調整してみるといいと思います。

下記は仕上がり設定を使わないで撮影した写真。もっと赤を強調したいところです。

そこで、仕上がり設定で「色の濃さ」をプラスに設定します。
↓色鮮やかに撮影することができました。

3.ホワイトバランスを変える

ホワイトバランスも紅葉写真を撮影する際は重要なポイントになります。最初はオートでいいと思います。

ただ、オートで撮影した写真が何だか白っぽいとか、青っぽくて、鮮やかな赤が強調されていないと感じたら、ホワイトバランスを「太陽光」「くもり」や「日陰」にして撮影してみるといいと思います。

下記はそれぞれホワイトバランスを変えて撮影したものです。
色の変化などに注目してみてください。

★ホワイトバランス オート

★ホワイトバランス 太陽光

★ホワイトバランス くもり

★ホワイトバランス 日陰

勿論、どれが正解というわけではなく、ご自分が撮りたい写真の色というか、あざやかさとか、そういったものに近い写真を撮るのに最適なホワイトバランスを選ぶことが重要だと思います。

4.光を決める

撮影する際は、順光、サイド光、逆光・・・という選択肢があります。

それぞれの利点については下記も参照ください:

順光での撮影、利点と欠点
逆光での撮影方法とテクニック

紅葉を撮影する際のそれぞれの利点などをまとめてみます。

★順光・・・・・・順光は太陽を背にして撮影することになります。光が被写体に真っ直ぐに当たることで、色鮮やかな写真がとれます。

色を強調したい時などには順光がいいですね。ただ、順光の欠点は立体感があまり出ないというか、のぺっとした写真になる点でもあります。

↓順光で撮影した写真。

★サイド光・・・・・・横から光が当たる形になりますので、被写体に立体感が出るのが特徴。やわらかい写真にもなると思います。

↓サイド光で撮影。

★逆光・・・・・・順光の逆で、太陽に向かって撮影するような形になります。逆光は被写体が暗くなってしまって、避けられる方が多いですが、本当はドラマチックな写真が撮れる光線です。

紅葉の場合は、太陽の光で葉を透かして撮影すると面白い写真になります。また、あえて葉をシルエットにして撮影するのもいいと思います。

↓逆光で撮影。

5.露出設定

露出設定によって写真もかなり変わった印象になりますね。どれが適正な露出か・・・というのは、撮影する人の感覚というか、どのような写真にしたいか・・・によりますので、正解はありません。

ハイキーでさわやかに、またゆるい写真にするのもいいし、ローキーでしっとりとした写真、引き締まった写真にするのもいいと思います。できたら、どちらも撮影してみるといいと思いますね。

下記は露出をどんどんマイナスに設定していって撮影した作例になります。

★露出補正-1

★露出補正-1.5

★露出補正-2

思い切ってローキーで撮影してみるのも面白いかも知れません。

6.PLフィルターを使う

PLフィルターは光の乱反射をカットしてくれるフィルターで紅葉のあざやかさであったり、空の青をより強調してくれる効果がありますので、紅葉写真を撮影する際にはおすすめです。

PLフィルターを使う場面と注意点

PLフィルターは主に晴天の際に使用すると効果を発揮します。空の青さであったり、紅葉の葉のあざやかさをより強調する効果があります。

PLフィルターは前面についたリングを回転させることで(↓)その効果を調節することができます。思うような写真になるように調節しながら何枚か撮影してみるといいでしょう。

また、曇りの日ではあまり効果がわかりませんので、基本的には使用しません。

注意点としてはPLフィルターを使用することでシャッタースピードが遅くなりますので、手ぶれしないように注意するのと、場合によってはISO感度を上げてシャッタースピードを上げるといいと思います。

ちなみに、僕が使用しているのは、Kenko PRO1D WIDEBAND サーキュラーPL(W)というモデルです。

価格も手ごろでありながら高品質なPLフィルターですね。本来なら、ここでPLフィルターありとなしの写真を掲載する予定だったのですが・・・作例が思いのほかわかり難かったので掲載はやめました(すみません)

また別の機会PLフィルターについてはご紹介したいと思います。

7.構図を変える

構図を変えることで、面白い写真になります。下記は一例です。

①思い切って寄って撮影する

②縦位置と横位置で撮影する

ほぼ同じ位置で撮影しても、縦位置と横位置ではまるで違いますね。

③水たまりに浮かぶ落ち葉を撮影する

池や小川などに浮かぶ落ち葉を探してみてもいいかも知れません。

④足元の落ち葉を撮影する

⑤背景に副題を入れる

⑥前ボケを使って撮影する