カメラ用三脚の選び方
カメラショップなどに行くと沢山の三脚が並んでいて、安いものは数千円、高いものは何万円もします。
また、脚の形状が違ったり、コンパクトタイプから大きなものまで。カメラを載せる雲台だって、何だか色々なタイプが・・・。
もうどれを買ったらいいかわからない!・・・となるかも知れません。
そこで今回は三脚を選ぶ方法をご紹介させていただきたいと思います。
自分の目的にあった三脚は?
三脚には種類が豊富にありますが、一番大事なのはどのような使い方をするか?という点かなと・・・思います。
三脚には例えば、重量とか、大きさとか、搭載機材の重さ(カメラとレンズを合わせて、どのくらいの重さに耐えられるか)といった選ぶ際の重要なポイントがあります。
こういったことをご自分の使い方に合せて、1つづつ決定してゆくと最終的に自分に合っている三脚が決まってくると思います。
1.素材は2つ
三脚は大きくわけると2つの素材に分かれます。
カーボンとアルミです。
カーボン素材は軽くて頑丈という特徴がありますが、価格が高くなります。アルミはカーボンよりは重いですが、価格も低く抑えることができます。
大型の三脚が欲しい方や本格的に撮影をしたいという方などは持ち運びのことも考えてカーボンがおすすめですが、初心者や中級者の方であれば、アルミの方が価格的にもおすすめです。勿論、予算に余裕があればカーボンがおすすめです。
ちなみにもっとも売れているのはアルミになります。
2.三脚の3つのタイプ
三脚には、卓上で使うようなミニ三脚、軽量コンパクトタイプ、スタンダードタイプ・・・と大きくわけて3つの種類があります。
ミニ三脚
室内で小物などを撮影する際に使用します。
料理を撮影するのにも使えます。一眼レフで使用する際はお使いのカメラの重さに耐えられるタイプを選ばれるとよいと思います。
軽量コンパクトタイプ
トラベル三脚ともいいますが、その名前の通り旅行にも持って行けるサイズ。
軽くて、それなりに使えます。小さくたためて、持ち運びも便利です。
手軽に三脚が使えるので人気ですが、軽い分だけ耐性も低く、重いレンズを付けたりはできませんし、高さも不十分なモデルもあり本格的な撮影には向いていません。
ただ、軽量タイプの一眼レフであったり、ミラーレス一眼を使っている方であれば重さ的には問題ないと思います。
高さについては後述しますが、軽量コンパクトタイプを購入する際には注意が必要です。
とりあえず三脚が欲しいという方にはこのタイプがおすすめです。
スタンダードタイプ
最初の三脚としても一番のおすすめがこのスタンダードタイプです。
このタイプにも様々なサイズがありますが、必要にして十分なサイズをまずは選んでおくといいと思います。
三脚はそれほど買い替えたり、何本も持つことも一般の方はないと思うので高さも十分あって、軽めのスタンダードタイプが一番のおすすめかなと、思います。
次に高さについて見てみたいと思います。
3.高さ
注目していただきたいのは三脚を目一杯伸ばした際の高さです。
例えば、卓上で料理や小物を撮影するということであれば、それほどの高さは必要ありませんので、ミニタイプの三脚で十分です。
ただ、屋外などで例えば、花火を撮影したり、風景写真を撮影したりするようだと、ミニタイプでは非常に使い勝手が悪くなります。
ではどの位の高さが必要になってくるのでしょうか・・?
一般的には、三脚を目一杯伸ばした状態で自分の目線にカメラが来る高さが基本と言われています。
この三脚を目一杯伸ばした状態でカメラが目線に来る高さを考えた場合、身長170センチの方だと目の高さは160センチ程度になります。
カメラの底からファインダー(もしくはライビューを使う場合は液晶画面)まで5センチから10センチと考えると三脚の全高(雲台を入れた高さ)は150センチから155センチ程度が最適ということになります。ということで、
三脚の全高は150センチが1つの目安
・・・と考えてもよいのかなと思います。
これは身長170センチの方の場合です。女性の場合はこれよりも低めの三脚でも大丈夫ですし、身長が高い方はもう少し大き目の三脚が必要になってくるかも知れません。
ちなみに全高とは、一般的には三脚の中心にあるセンターポール(エレベーターと言われる部分)を伸ばしきった高さのことです。
本当はこのセンターポールを伸ばしていない状態でカメラが目の高さにくるのが良いと言われたりしますが、センターポールを伸ばさないで例えば150センチの三脚になるとサイズも大きくなってしまうという欠点もあります・・。
ですので、携帯性も考えてセンターポールを伸ばし切った全高を目安にするのも1つの方法かなと思います。
4.地上最低高
高さを決めたら今度は「地上最低高」を見てみたいと思います。
これはその三脚を一番低いポジションにした際の高さです。
カメラを地面に近づけるほど低くしたローポジションに対応した三脚を使うと、撮影できる写真の幅が広がると思います。
ただ、とりあえず三脚が欲しいという方、低い位置からの写真は撮らないという方はローポジションに対応していない三脚でもいいと思います。価格もそちらの方が低く抑えることができると思います。
下記は僕が使っている三脚(ベルボン ULTRA LUXi L、現在は後継モデルが発売されています)ですが、左下のようにセンターポールが取り外せるようになっていまして、脚も大きく開きます。ちなみにこのモデルの地上最低高は19センチです。
5.最大積載・・・カメラの重さに耐えられるか?
最大載積とは三脚の上に乗せる機材の重量の上限値になります。最大載積が1.5キロの場合は、カメラとレンズを合わせた際の重さを1.5キロ以内に抑えないといけません。
そのため、ご自分が使われる機材の重さを把握しておく必要があるかと思います。その上でその重さに対応した三脚を選びます。
ミラーレス一眼は軽いですから、そういう意味では軽めの三脚(最大載積がそれほどない三脚でも)を選べると思います。
ミラーレスの場合、かなり多く見積もっても1キロの最大積載の三脚であれば、問題なく使えると思います。(特殊なレンズを使う場合は別ですが)
一眼レフになると重くなりますので、その点はご自分の機材の重さと使っているレンズ、もしくはこれから購入予定のレンズも考慮する必要があるかと思います。
一眼レフといってもエントリーモデルは500グラム程度のものから、ハイアマチュアモデルだと1キロ近くあるものもあります。これは本体だけの重さでここにレンズが加わります。
レンズも標準のレンズであれば、それほど重くはないと思いますが、望遠だと1キロを超すものも多くあります。
そういった点も考慮すると、あくまでも目安になりますが・・・エントリーモデルをお使いの方は最大載積が1.5キロ程度のものを、ハイアマチュアモデルをお使いの方であれば、2キロ程度のものがいいかも知れません。
6.雲台・・・カメラを載せる台のことです
次は雲台について見てゆきたいと思います。
雲台(うんだい)とはカメラを載せる台のことになります。カメラ用では大きくわけて2種類あります。
自由雲台
ボール雲台とも呼ばれますが、これはねじを緩めることでカメラの位置を自由に動かし、最後にねじをしめて位置を決定するタイプの雲台です。
利点・・・三脚そのものがコンパクトになります。角度なども自由に決められるので撮影までに時間がかかりません。
欠点・・・ねじをしめる際に構図が微妙に狂ったりすることも・・。
こういった利点・欠点を考えると、マクロレンズを使った撮影であったり、構図をしっかりと決めたいという方には自由雲台は向いていないのかも・・・知れません。
それ以外の場合は三脚がコンパクトになるというメリットもあるので、この自由雲台を選んでもいいのかも知れません。
また、ポートレイトにも自由雲台が良いと一般的には言われています。
3WAY雲台
前後、左右、左右の傾きをそれぞれ動かせるタイプがこの3WAY雲台です。
利点・・・微妙な構図もしっかりと決めることができる。水平をとりやすい。
欠点・・・三脚が大きくなる。撮影までに時間がかかる・・。
マクロレンズを使った撮影などにはこの3WAY雲台が向いています。また、超望遠レンズを使った撮影にもこちらが便利です。
どちらがおすすめか・・・と言われると、3WAY雲台の方が将来的なことも考えていいのかも・・・知れません。ただ、ポートレイト撮影メインとか、マクロレンズは使わないと言う方であれば、自由雲台でもいいと思います。
7.脚について
次は三脚の脚の部分について少しご説明したいと思います。
ロックする方式について
三脚の脚を伸ばしたら、それを固定しますが、その固定方法も大きくわけると2つあります。
1.ロックナット式
ナット部分を回転させることで脚を固定させます。
回転させて固定させるので若干こちらの方がセットに時間がかかるかも知れませんが、固定する力が劣化し難いので、メンテナンスも少なくて済みます。
2.ロックレバー式
レバーを開けて、閉めるだけのワンタッチ方式です。
簡単に操作ができるのが利点。ただ、長年使っていると多少劣化することもありますが、よほど頻繁に三脚を使う方でない限りその心配は必要なさそうです。
三段と四段の違い
頻繁に伸縮させる・・・という方は3段がおすすめです。
剛性も3段の方が高い傾向があります。ただ、4段は手間は少し増えますが、地上最低高が3段よりも低くなりやすいという利点もあります。
ローポジションを利用する方であれば4段を選ぶのも1つの方法かも知れません。
下記の三脚は4段になります。コンパクトな三脚を求めている方、それほど頻繁に三脚を使わないという方であれば、4段で良いかも知れません。
8.ついていると便利な装備
雲台に水準器がついている三脚もありますが、水平に撮影できるのでとても便利で、あったらいいな・・・という装備です。下記が水準器です。
そのほか、クイックシューといってカメラと三脚の間に使用して、カメラの脱着を簡単にできるものもあります。
通常は三脚とカメラはねじを使ってとめるわけですが、クイックシューを使えば、その手間が省けますので便利です。ただ、よほど頻繁に三脚を使う方でなければなくても問題はないとは思います。
下記は僕が使っているものですが、まずカメラの底にシュープレートと呼ばれているものを付けます。ネジで取り付けるだけ。簡単です。
↓が三脚側。ここにパチンとはめ込むだけです。
カメラの脱着がワンタッチなので便利です。ちなみに上記のプレートは軽いので三脚を使う日はつけっぱなしでも全く問題ないと思います。
↓パッチン!とはめ込みます。
以上、長文になりましたが、お疲れ様でした。