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高倍率ズームレンズとは?利点と欠点、使い方も

高倍率ズームレンズとはズーム比が高いレンズで、広角から望遠という幅広い範囲の焦点距離をカバーしてくれる利便性の高いレンズとして知られています。

高倍率ズームレンズについて、デジタルマガジンが行った調査では、こんな結果になりました。

■このレンズの被写体は何?

・風景 38%
・旅行 21%
・花 15%
・家族 12%
・ペット 5%
・ポートレイト 5%
・鉄道 2%

■このレンズの不満点

・大きい・重い 36%
・暗い 18%
・AFが合いにくい 15%
・手ぶれしやすい 7%
・解像感が足りない 7%
・逆光に弱い 6%
・歪みが大きい 4%

・・・といった結果になっています。

今回は高倍率ズームレンズの利点と欠点についてもう少しまとめてみたいと思います。

利点について

1.広角から望遠まで広い範囲の焦点距離を1本でカバーしてくれる

これが高倍率ズームレンズの最大の魅力かも知れません。

広角は18mmなどから望遠側は300mmなんてレンズまで存在します。

普通であれば、広角ズームレンズ、標準ズームレンズ、望遠ズームレンズの中から2本から3本持たなければならないところを1本で済むのですからやはり魅力です。

上記のアンケートにもありますが、そういった利点から旅行に持って行く1本としては最適のレンズとも言えるのかも知れません。

2.軽い、小さい

高倍率ズームレンズのもう1つの利点、それはやはり小型で軽量である点です。

上記のアンケートでは大きくて重いという回答がありましたが、それはあくまでも1本のレンズとしては・・・という意味だと思います。

28-300mmの高倍率レンズの焦点距離をそれ以外のレンズでカバーしようと思った時は普通はレンズが2本以上は必要になってきたりしますので・・・たった1本で済んでしまう高倍率レンズはそういう意味ではとても軽いレンズと言えるのではないかなと思います。

また、1本のレンズとしても・・・高倍率レンズは軽いし、小さいと思うんです。

例えば、キャノンの70-200mm F2.8だと重さが1.3キロ、レンズの長さが20センチ近くあります。

一方、高倍率レンズだとどうでしょう。タムロンのAF28-300mmの場合、上記のレンズの焦点距離をカバーしていながら、重さは420グラム、レンズの長さは上記のレンズのおよそ半分の10センチ弱です。

これだけ大きさに差があることを考えて高倍率ズームレンズを購入する方は多いと思います。

3.最短撮影距離が短い

焦点距離の長いズームレンズになると最短撮影距離は1メートル以上になるものが多いですが、高倍率ズームレンズの場合は最短撮影距離が50センチを切るものもあります。

そのため、標準レンズのような使い方だったり、マクロレンズのような使い方もできるという利点があります。

欠点について

1.背景がぼけない、手ぶれしやすい

高倍率レンズの利点を見るともう、オールマイティなレンズでこの1本に決まり!と言いたいところですが、実は欠点もあります。

1つ目の欠点は背景がぼけない、つまり暗いレンズということです。暗いレンズとはF値が大きいレンズということですが、こういったレンズだと背景がぼけ難くなります・・。

また、暗いレンズの欠点は暗い室内ではシャッタースピードが遅くなって、手ぶれしやすくなる点でもあります。

しかも、高倍率ズームレンズは望遠側にすると開放F値が変化して、急激に暗くなることがあります。

例えば、18mmの広角側では開放F値が3.5でも50mmになるとF4.3、200mmになるとF5.6・・・という風に開放F値が変化します。

そのため、日中の屋外などでは問題なくても、室内での撮影や夜間の撮影などに問題が出てくることが多いかも知れません。

2.解像力が低い

高倍率ズームレンズは一般的に解像力が低いと言われています。そういう意味では写真の質を追求するのには向いているレンズとは言えないのかも知れません。

3.AFが合いにくい

冒頭のアンケートでもご紹介しましたが、高倍率ズームレンズを使用されている方の中にはAFが合いにくいという不満を感じている人も少なからずいらっしゃるようです。

この問題点をカバーするには中央の測距点でピントを合わせるフォーカスロックというテクニックを使う方法もあります。

で、結局このレンズはおすすめなのか?

高倍率ズームレンズは、間違いなくおすすめのレンズにはなると思います。ただし、それも使う人によって変わってくるとは思います。

描写力や表現力、写真の質などにこだわりたいという方は、高倍率よりも明るいレンズの方がよいと僕は思います。

勿論、明るいズームレンズにするということはレンズも重く、大きくなることになります。

また、高倍率レンズと同じ範囲の焦点距離をカバーしようと思ったらレンズは2、3本は必要になってきますから、場合によってはその中の1本を諦めるというケースも出てくるかも知れません。

そこまで質にこだわらないけども、ある程度の品質の写真を撮りたいというのであれば、高倍率でもいいかも知れません。

特に利便性を重視する方には高倍率レンズはおすすめだと思います。

もし、迷ったらまず高倍率レンズを購入してみるのも1つの方法だと思います。

そして、それよりももっと質にこだわりたくなった時に新しいレンズを購入するというのでも遅くはないかも・・・知れません。

いずれにしても1本持っておくと何かと便利なレンズではあると思います。

写真はタムロンの高倍率レンズ:
TAMRON 18-270mmF3.5-6.3 Di2 VC PZD

焦点距離18mmから270mmをカバーしていながら、質量450gという軽量・コンパクトなオール・イン・ワンの高倍率レンズ。キャノン用、ニコン用などがあります。